2012年12月15日土曜日

2012記憶に残る風景

山形県 古寺鉱泉から大朝日岳。7月下旬。

古寺鉱泉からゆっくり登り始めて45分もすると
見事なカラマツが連続する尾根道がある。

「ここが昔から好きな場所だ」
父が、私に教えてくれた。
この場所でいつも一息ついていたのだろう。

高校時代、山岳部だった父。
おそらく父が人生の中で一番歩いた道。
その道を、私は初めて父と一緒に歩いた。
学生だった半世紀前と、変わっていないのだろうか、この道の風景は。

就職して、登山をやめた父。
けれど故郷の裏山にそびえる、この朝日だけは(しかも古寺から)ときどき登っていた。

最近は、冗談めいて、
「あと、何年朝日に登れるかな?」と、おちゃらけて言う。
でも誰でも、思いのある風景だけは、歩けるうちは歩きたいものだろうとも思う。

下山時、古寺山から小朝日と大朝日岳が、すっきりとみえた。

「・・・この景色をみるのは、もう最後かな」
と、いつまでたっても、ずっと見ていた後ろ姿を今でも忘れられない。 





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