2010年5月26日水曜日

白銀の弾丸

スキーが終焉に近づくと

川に向かいたくなる。

遠く蔵王を望み

広々とした流れに立ち込んで

長竿を力いっぱい振り込んで、南風を切り裂いた。

キタゼ、キタゼ!

やまめくん!

幅広でカツオみたいに太ってる。

流れに任せて疾走する白銀の弾丸だ。

まだまだ小ぶり。

もうすぐ海からの戻りヤマメが竿を絞り込む。

いよいよ夏がやってくる。

希望の輪

5月16日 鳥海山百宅。

今日で鳥海山も最後。

登っては滑りの毎日にサヨナラだ。

これからは妄想の日々がやってくる。

だから、かみしめるように行こう。


山頂直下。

日輪なのか彩雲なのか

美しい虹のライン。


今シーズンの沢山の思い出がよみがえる。

みんなに感謝。

スキーに感謝。

自然に感謝。


さて、山頂から行くぜ!

車は標高差で1550m下だ。

景色を脳裏に焼き付けながらの滑降だ。

重力のまま落ちていく幸福。

思いのままに描くターン弧。


幾度も幾度も

今来た旅路を振り返りながら

いけどもいけども

果てしない山懐。


刹那の滑降。

夕陽に輝く鳥海山。

今はサヨナラ。

また会う日まで。

2010年5月25日火曜日

鳥海ブロッコリー

5月も半ばにさしかかり

新緑が

日に日に

山裾から尾根伝いに這い上がって来た。

あっという間に芽吹く、茂る。

昨日まで

春の紅葉かと思うほどの

淡い薄紅色で艶やかな芽吹き前の森は

今はすっかり

グリーン!

うまそうなブロッコリーだ。

今日は汗のしたたる滑降であった。

体焼きくん



まいにちまいにち

ぼくらはてっぺん(頂上)の

うえで焼かれて

やんなちゃうな。


5月3日。  鳥海山鳥子雪渓。

天候は少し下り坂で風強し。

風あたりの弱い通称、鳥子(鳥形)雪渓コースを行く。

昨日のザラメ雪は気温上昇=水分過剰でもっさり気味。

黄砂の地肌が露出する場所=フィルムクラスト、を拾いながら

無人の大斜面を軽快に降りていく。

鳥子に羽毛のようなシュプールを刻みつつ。

2010年5月22日土曜日

海に向かって滑れ!























5月2日。 鳥海山笙ヶ岳。

案の定快晴となる。

驚いたのは、あちこちに野鳥が死んで横たわっている事。

目をつむって。

気の毒に。

急な吹雪で降りられなくなってしまったんだ。

厳しさに身が引き締まる。


ここ最近、「嵐の後の笙ヶ岳」は僕の定説だ。

強風にたたきつけられ、しっかり締まった雪面が陽光で緩んだ瞬間。

雲上の最高の快楽の滑降が待っている。

海に向かって滑れ!

この瞬間のためにやってきたのさ。

※スキーヤー 「なかなか魔法が解けない強靭な男。H」

荒天の残党
















5月1日。 鳥海山猿倉尾根上。

1600m付近からガスと強風。

一昨日からの荒天の残党か。

風裏のダケカンバに寄り添いシールを外す。

車はずいぶん下に回送してあるから、長く滑れる。

いつものごとく無理せず下ろう。

オープンバーンとダケカンバの疎林を繋ぐように降りる。

いまはすっかり埋まった池のほとりでまったり昼食。

ここから先はブナ林、

風止みとともに雪も重いが

遠く奥羽山脈が顔を出す。

明日はきっといい天気だ。